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採用ノウハウ

STAR面接とは?質問例・評価方法・導入5ステップを解説

監修:小林 幸嗣

STAR面接とは、候補者の過去の経験を、状況・課題・行動・結果の順に深掘りする面接手法です。

候補者の自己評価や抽象的な強みではなく、実際に取った行動を確認できます。そのため、採用後にも再現される可能性がある行動特性を見極めやすくなります。

ただし、STARの順番で質問するだけでは、評価のばらつきはなくなりません。職種ごとに評価項目を定め、共通質問と採点基準まで設計する必要があります。

先に結論
STAR面接を成功させるポイントは、次の3つです。
・募集職種で成果につながる行動を先に定義する
・全候補者に共通する起点質問と深掘り質問を用意する
・回答の印象ではなく、確認できた行動事実を採点する

この記事では、STAR面接の基礎から質問例、評価方法、導入手順まで解説します。

この記事でわかること

  • STAR面接とSTAR法の基本
  • 構造化面接やコンピテンシー面接との違い
  • 評価項目別の質問例
  • 評価シートと採点基準の作り方
  • 導入時に起こりやすい失敗と対策

参考記事:構造化面接とは?質問例と導入手順を7ステップで解説

STAR面接とは

STAR面接は、候補者の過去の経験を、4つの観点から確認する行動面接です。

STARは、Situation、Task、Action、Resultの頭文字です。グローバルにおいては米国人事管理庁(OPM)も、構造化面接の質問を作る方法としてSTARを紹介しています。(*3)

STARを構成する4つの要素

要素確認する内容面接官の質問例
Situation当時の状況や前提どのような組織や案件でしたか
Task本人が担った役割や課題何を達成する必要がありましたか
Action本人が取った具体的な行動本人は具体的に何をしましたか
Result行動によって生じた結果どのような結果になりましたか

STAR面接では、特にActionを詳しく確認します。

同じ成果でも、本人が主導したのか、上司の指示に従ったのかで評価は変わります。「チームで取り組みました」という回答だけでは、本人の行動がわかりません。

面接官は、誰が判断し、誰が実行したのかを分けて確認します。

STAR法は回答方法としても使われる

STAR法は、面接官の質問設計だけに使うものではありません。候補者が経験を整理して回答する方法としても使われます。

Amazonは公式の面接案内で、行動に基づく質問への回答をSTARで整理するよう案内しています。過去の経験について、状況、課題、行動、結果を具体的に説明する方法です。(*8)

候補者がSTAR法を使って準備している場合もあります。回答が整っていることと、行動の質が高いことは別です。
面接官は、話し方の完成度と行動の質を分けて評価します。

STAR面接と他の面接手法の違い

STAR面接、行動面接、構造化面接、コンピテンシー面接は、重なる部分があります。ただし、同じ意味ではありません。違いを理解せずに導入すると、質問だけ統一され、評価基準が揃わない状態になります。

STAR面接と行動面接の違い

行動面接は、候補者の過去の行動を質問する面接の総称です。

STAR面接は、行動面接を進めるための代表的なフレームワークです。過去の経験を4つに分けて確認するため、抽象的な回答を具体化しやすくなります。つまり、STAR面接は行動面接の一つと整理できます。

STAR面接と構造化面接の違い

構造化面接は、質問と評価方法を標準化した面接です。全候補者へ同じ質問を行い、同じ評価尺度で採点する方法となります。(*1)

STAR法を使っても、面接官ごとに質問や採点方法が違えば、構造化面接とはいえません。STAR面接を構造化するには、少なくとも次の項目を揃えます。

  • 評価するコンピテンシー
  • 全候補者に聞く起点質問
  • 使用できる深掘り質問
  • 評価基準と行動例
  • 面接記録の形式
  • 評価確定の手順

Googleでは、面接の一貫性を高める方法として、構造化された質問と成功基準を使用しています。(*6)

STAR面接とコンピテンシー面接の違い

コンピテンシー面接は、成果を上げる人に共通する行動特性を確認する面接です。主体性、問題解決力、協働力、顧客志向などが評価対象になります。STARは、その行動特性を具体的な経験から確認する方法です。

コンピテンシー面接が「何を評価するか」を定めるのに対し、STARは「どのように聞くか」を整理します。両者を組み合わせると、質問と評価のつながりが明確になります。

STAR面接を導入する3つのメリット

STAR面接の主なメリットは、候補者の回答を具体化できることです。
ただし、面接精度を高めるには、質問だけでなく評価基準も統一する必要があります。

抽象的な自己PRを行動事実へ変えられる

通常の面接では、「主体性があります」「調整力が強みです」といった回答が多くなります。この回答だけでは、採用後にどのような行動を取るのか判断できません。

STAR面接では、次のように具体化します。

  • どのような状況だったか?
  • 本人に何が求められたか?
  • 本人が何を判断したか?
  • 誰にどのように働きかけたか?
  • 結果は何によって確認したか?

候補者の自己評価ではなく、実際の行動を比較できる点がメリットです。

面接官ごとの評価差を確認しやすい

共通質問と評価基準を用意すると、面接官ごとの判断を比較できます。

構造化の度合いが高い面接は、質問や評価に関する面接官の裁量を減らします。米国人事管理庁も、構造化の度合いが高いほど、評価者間の一致や妥当性が高まると説明しています。(*2)
ただし、STARという名称を使うだけでは不十分です。

「主体性がある」の判断基準を各面接官へ任せると、評価差は残ります。主体性が高い行動と低い行動を、事前に言語化してください。

面接後の申し送りが具体的になる

STARで記録すると、次の面接官が確認すべき点を整理できます。
悪い申し送りは、「コミュニケーションは良さそうです」のような印象です。

良い申し送りは、次のような記録です。

顧客との納期調整では、影響範囲を整理し、代替案を3案提示して合意を得た。一方、社内メンバーの反対意見をどのように扱ったかは未確認。

確認済みの事実と未確認事項を分けることで、次回面接の重複を減らせます。

STAR面接のデメリットと限界

STAR面接は、すべての能力を判断できる手法ではありません。
過去の経験を説明する面接であるため、実技能力や未知の状況への対応力は、別の選考方法で補う必要があります。

経験を話すのが上手な候補者が有利になりやすい

候補者がSTAR法を使って準備している場合、回答は整理されています。

一方、実務能力が高くても、経験を言語化することが苦手な候補者もいます。面接官は、回答の流暢さを評価項目に混ぜないようにします。職務上、説明力が必要な場合だけ、独立した評価項目として採点してください。
本人の行動が不明確な場合は、短い確認質問で補います。

過去に類似経験がない候補者を評価しにくい

新卒採用や未経験採用では、職務に近い経験がない場合があります。その場合は、学業、部活動、アルバイト、ボランティアなどへ範囲を広げます。確認したい行動特性が同じなら、仕事以外の経験も評価材料になります。
それでも経験がない場合は、状況面接を組み合わせます。
状況面接とは、仕事で起こり得る場面を提示し、どのように対応するかを聞く方法です。構造化面接では、過去行動を聞く質問と、仮想場面を聞く質問の両方が使われます。(*2)

専門スキルを直接確認できない

STAR面接で確認できるのは、候補者が説明した過去の行動です。

エンジニアの実装力、デザイナーの制作力、経理の処理精度などは、説明だけでは十分に確認できません。
専門スキルは、次の方法で補完します。

  • ワークサンプル
  • ケース面接
  • 実技試験
  • ポートフォリオ
  • 知識テスト
  • リファレンスチェック

STAR面接だけで採否を決めず、募集職種に必要な能力ごとに選考方法を分けます。

STAR面接の質問を作る5ステップ

STAR面接の質問は、思いつきで作るものではありません。
募集職種の成功条件から逆算し、評価項目、質問、採点基準の順に設計します。

1.募集職種で必要な行動を定義する

最初に、入社後の成果につながる行動を定義します。
例えば、法人営業の「顧客志向」を評価する場合でも、意味は企業ごとに異なります。

  • 顧客の要望を正確に聞く
  • 顧客の要望へ安易に迎合しない
  • 課題を再定義して提案する
  • 社内を巻き込み、実行まで進める

評価項目を抽象語だけで置かず、観察できる行動へ変換します。
米国人事管理庁も、構造化面接の質問は、職務分析で特定したコンピテンシーと結び付けるよう推奨しています。(*3)

2.一つの具体的な経験を聞く

起点質問では、候補者が一つの経験を選べるようにします。
「普段どのように仕事をしていますか」では、一般論になりやすくなります。
次のように、具体的な一場面を聞いてください。

顧客の要望をそのまま受け入れず、課題を整理し直して提案した経験を教えてください。

「最も難しかった経験」「直近の経験」など、対象を限定する方法もあります。

3.SituationとTaskで前提を揃える

状況と課題を確認しないまま行動を評価すると、難易度を見誤ります。例えば、同じ売上10%増でも、市場環境、担当範囲、既存資産によって成果の価値は変わります。

確認する項目は次の通りです。

  • 組織や案件の規模
  • 当時の目標
  • 本人の役割
  • 制約条件
  • 関係者
  • 課題が発生した経緯

前提確認に時間を使いすぎないよう、評価に必要な項目へ絞ります。

4.Actionを最も詳しく聞く

Actionでは、本人の判断と行動を確認します。
次の質問を使うと、「チームとして行ったこと」と「本人が行ったこと」を分けられます。

  • 本人が最初に取った行動は何ですか
  • その選択肢を選んだ理由は何ですか
  • 他にどのような選択肢がありましたか
  • 誰へ、どのように働きかけましたか
  • 反対意見にはどう対応しましたか
  • 途中で方針を変えましたか
  • 本人が直接担当した範囲はどこですか

「なぜ」を繰り返すと、候補者を追及する印象になります。質問の意図を伝え、事実確認として聞く姿勢を保ちます。

5.Resultと学びを確認する

結果は、成功か失敗かだけで評価しません。結果の測定方法と、本人が経験から何を学んだかを確認します。

  • 目標に対してどの程度達成しましたか
  • 結果を示す数値や事実はありますか
  • 周囲からどのような反応がありましたか
  • 想定外だった点は何ですか
  • 今なら何を変えますか
  • 別の環境でも再現できる要素は何ですか

失敗経験でも、検証と改善が具体的なら高く評価できる場合があります。

STAR面接で使える質問例

質問は、評価したい行動特性に合わせて変えます。
以下は、そのまま使うための完成版ではありません。募集職種の業務内容と評価基準に合わせて調整してください。

主体性を確認する質問

起点質問

指示を待たずに、自ら課題を見つけて改善した経験を教えてください。

深掘り質問

  • 誰が課題だと認識していましたか
  • 本人はなぜ対応が必要だと考えましたか
  • 最初に誰へ働きかけましたか
  • 周囲から反対はありましたか
  • 本人が担当した範囲はどこですか
  • 改善結果を何で確認しましたか

主体性は、単独で行動することではありません。必要な関係者へ相談し、合意を得て進める行動も主体性に含まれます。

問題解決力を確認する質問

起点質問

原因がすぐに特定できない問題を解決した経験を教えてください。

深掘り質問

  • どのような情報を集めましたか
  • 原因の仮説をどう立てましたか
  • 優先順位をどう決めましたか
  • 仮説をどのように検証しましたか
  • 誤っていた仮説はありましたか
  • 解決後に再発防止を行いましたか

結果だけでなく、情報収集と判断の過程を評価します。

協働力を確認する質問

起点質問

意見が対立する関係者と協力し、仕事を進めた経験を教えてください。

深掘り質問

  • 何について意見が対立しましたか
  • 相手の背景をどのように理解しましたか
  • 共通目標をどのように設定しましたか
  • 本人は何を譲り、何を譲りませんでしたか
  • 合意形成後にどのような行動を取りましたか
  • 関係性はその後どうなりましたか

単に人当たりが良いかではなく、対立がある場面での行動を確認します。

顧客志向を確認する質問

起点質問

顧客の要望と、本当に必要な解決策が異なっていた経験を教えてください。

深掘り質問

  • 顧客は何を求めていましたか
  • 本人はどの点に違和感を持ちましたか
  • 課題をどのように確認しましたか
  • 顧客へどのように説明しましたか
  • 社内調整はどのように進めましたか
  • 顧客にどのような変化がありましたか

顧客の要望に従ったかではなく、顧客成果へつながる判断をしたかを評価します。

学習力を確認する質問

起点質問

未経験の業務や知識を、短期間で習得した経験を教えてください。

深掘り質問

  • 何を、いつまでに学ぶ必要がありましたか
  • 学習項目をどう分解しましたか
  • 誰から情報を得ましたか
  • 理解度をどのように確認しましたか
  • 実務でどのように試しましたか
  • 次の学習へ活かした方法はありますか

「勉強しました」ではなく、学習方法と実務への転用を確認します。

STAR面接の評価方法

STAR面接では、回答の完成度ではなく、職務に関連する行動を採点します。

面接前に評価基準を作り、面接後は各面接官が独立して採点します。その後、評価差が大きい項目だけを事実に基づいて確認します。

評価シートには事実と判断を分けて記録する

面接記録は、少なくとも次の欄に分けます。

記録欄記載内容
Situation・Task状況、目標、役割、制約
Action本人が取った行動と判断
Result結果、数値、周囲の反応
確認済みの事実回答から確認できた内容
未確認事項次回面接で確認する内容
評価定義した基準に基づく点数
評価根拠点数につながった行動事実

「誠実そう」「頭が良さそう」など、根拠が曖昧な印象は評価根拠にしません。

米国人事管理庁も、面接記録と採点は、候補者が述べた職務関連の回答を記録するためのものと説明しています。外見や個人的な印象を採点へ含めないよう求めています。(*4)

5段階の評価基準例

以下は、主体性を評価する場合の簡易例です。

点数行動の目安
1本人の具体的な行動を確認できない
2指示された範囲で行動した
3課題を認識し、必要な関係者へ働きかけた
4複数案を比較し、周囲を巻き込んで改善した
5複雑な制約下で改善を主導し、再現可能な仕組みにした

実際の基準は、職種と等級に合わせて作ります。

同じ主体性でも、若手社員と管理職では期待する行動が異なります。評価段階ごとの行動例を作るには、現場責任者やハイパフォーマーへのヒアリングが必要です。

米国人事管理庁も、独自の評価尺度を作る際は、職務の専門家が関与する必要があると説明しています。(*5)

面接官同士の相談前に採点する

面接後、最初から全員で相談すると、発言力が強い面接官へ評価が寄ることがあります。先に各面接官が独立して、点数と根拠を記録してください。
その後、次の順で確認します。

  1. 点数が大きく異なる項目を抽出する
  2. 各面接官が確認した事実を共有する
  3. 評価基準と照合する
  4. 情報不足なら未確認として残す
  5. 総合評価と次回確認事項を決める

評価を合わせる目的は、全員の感想を同じにすることではありません。同じ事実を、同じ基準で判断できる状態を作ることです。

STAR面接の回答例と評価の見方

ここでは、「協働力」を確認する回答例を紹介します。

質問例

意見が対立する関係者と協力し、仕事を進めた経験を教えてください。

回答例

Situation

新しい顧客管理システムを導入するプロジェクトで、営業部門と管理部門の意見が対立していました。

Task

私はプロジェクト担当者として、1か月以内に運用方法を決める必要がありました。

Action

両部門へ個別にヒアリングし、要望を「入力工数」「データ精度」「管理責任」の3点に整理しました。その後、共通して合意できる項目と、判断が必要な項目を分けました。

判断が必要な項目については、2週間の試験運用を提案しました。試験結果を基に、入力項目を当初案から20%減らしました。

Result

両部門が運用案へ合意し、予定どおり導入できました。導入後の入力率は、3か月間で95%を維持しました。

面接官が確認する追加項目

この回答は、状況、本人の役割、行動、結果が整理されています。

ただし、協働力を評価するには、次の点も確認します。

  • 反対意見を持つ相手へ、どのように説明したか
  • 3つの論点へ整理した根拠は何か
  • 20%削減する項目を誰が決めたか
  • 本人の提案に対する反発はなかったか
  • 別の対立場面でも同じ方法を使えるか

STARが揃っていても、評価に必要な事実が揃っているとは限りません。面接官は、評価項目に必要な証拠が集まるまで深掘りします。

STAR面接を導入する5ステップ

STAR面接は、小さく試してから改善する方法が適しています。質問数を増やす前に、一つの職種と少数の評価項目で運用してください。

1.対象職種と選考段階を決める

最初に、STAR面接を使う職種と面接段階を決めます。
一次面接では、共通する基礎的な行動特性を確認します。二次面接以降では、職種固有の判断や難しい経験を深掘りします。すべての面接で同じ経験を聞くと、候補者と面接官の負担が増えます。

2.評価項目を3〜5個に絞る

一回の面接で多くの項目を評価すると、一つの経験を十分に深掘りできません。運用開始時は、主要な評価項目を3〜5個程度に絞る方法があります。
ただし、適切な数は面接時間と職種によって異なります。各質問に必要な時間を試行し、調整してください。

3.質問と評価基準をセットで作る

質問だけを作らず、何を確認できれば何点かを同時に決めます。質問票には、次の項目を記載します。

  • 評価項目
  • 起点質問
  • 使用できる深掘り質問
  • 高評価となる行動
  • 低評価となる行動
  • 記録欄
  • 評価欄

質問と評価基準が分離すると、面接官は自分の価値観で採点します。

4.面接官研修と模擬面接を行う

研修では、STARの説明だけでなく、実際の回答を採点します。同じ模擬回答を複数の面接官が採点し、点数が分かれた理由を確認してください。
特に、次の違いを揃えます。

  • どこまで深掘りするか
  • 「本人の行動」と判断する範囲
  • 数値がない成果の扱い
  • 失敗経験の評価方法
  • 情報不足の場合の採点方法

Googleも、面接担当者向けのトレーニング項目として、質問準備、法令順守、意味のある採点、フィードバックを挙げています。(*7)

5.試行後に質問と基準を修正する

本格導入前に、模擬面接や少人数の選考で試します。質問が理解されるか、適切な回答差が出るかを確認するため、試行が必要です。
試行後は、次の点を確認します。

  • 候補者が質問の意図を理解できたか
  • 同じ質問で必要な行動差を確認できたか
  • 深掘りに時間がかかりすぎなかったか
  • 面接官の評価差が大きくなかったか
  • 入社後の活躍と評価が整合しているか

質問を一度作って終わりにせず、採用結果と照合して更新します。

STAR面接でよくある失敗

STAR面接の失敗は、フレームワークを守ることが目的になると起こります。候補者に順番どおり話させることより、評価に必要な事実を集めることを優先してください。

「私たち」の回答を本人の実績として扱う

候補者が「私たちは改善しました」と回答した場合、本人の役割は不明です。
次の質問で分けます。

  • チーム全体の行動は何ですか
  • その中で本人が担当した部分はどこですか
  • 本人が決めたことは何ですか
  • 本人以外が決めたことは何ですか

個人の貢献を過大評価しないために必要な確認です。

結果の大きさだけで評価する

大きな成果は、候補者の能力だけで生じるとは限りません。市場環境、ブランド、予算、人員、上司の支援なども影響します。
反対に、結果が目標未達でも、難しい条件下で質の高い判断をしている場合があります。
Situation、Task、Action、Resultを分けて評価してください。

面接官が答えを誘導する

「そのとき、関係者へ相談したのですか」と聞くと、望ましい回答を示してしまいます。
次のように開かれた質問へ変えます。

その状況で、最初に何をしましたか。

候補者の行動が出た後で、必要な項目を確認します。

すべての候補者へ異なる深掘りをする

候補者の回答に応じた追加質問は必要です。ただし、面接官が自由に質問すると、候補者ごとに確認内容が変わります。
起点質問は共通にし、深掘り質問も事前に候補を定めます。追加質問を使った場合は、記録へ残します。

STARだけで採用判断を完結させる

STAR面接は、過去の行動を確認する方法です。職務知識、実技能力、志望理由、条件面、候補者への情報提供まで、すべてをカバーするものではありません。募集職種に合わせて、構造化面接、実技課題、会社説明、候補者からの質問時間を組み合わせます。

STAR面接が向いている採用

STAR面接は、過去の経験から行動特性を確認しやすい採用に向いています。
具体的には、次のような職種です。

  • 営業
  • カスタマーサクセス
  • プロジェクトマネージャー
  • 管理職
  • 人事
  • コンサルタント
  • 複数部門との調整が多い職種

一方、未経験者の採用や、実技が成果へ直結する職種では、STAR面接だけでは情報が不足します。
新卒や未経験者には、学業や課外活動の経験も対象にします。専門職には、ワークサンプルや実技試験を組み合わせます。

STAR面接を社内で運用しきれない場合

STAR面接を標準化するには、質問作成だけでなく、面接官の確保、研修、評価記録、面接後の振り返りが必要です。採用数が増えると、現場社員だけで同じ品質を維持することが難しくなります。
その場合は、次の業務を外部へ任せる方法があります。

  • 評価項目と質問の設計
  • 面接官の手配
  • 一次面接の実施
  • 面接記録の作成
  • レポートの作成
  • 次回面接への申し送り

参考記事:面接代行のメリット7つ|向いている企業と失敗しない使い方
参考記事:面接代行サービスおすすめ12選|料金相場と選び方を比較

まとめ

STAR面接は、候補者の過去の経験を、状況、課題、行動、結果に分けて確認する面接手法です。
導入時は、次の順で設計します。

  1. 募集職種で必要な行動を定義する
  2. 評価項目ごとに起点質問を作る
  3. STARの深掘り質問を用意する
  4. 行動基準と評価シートを作る
  5. 模擬面接と試行で評価差を修正する

STAR面接の目的は、候補者を型にはめることではありません。抽象的な印象ではなく、職務に関連する行動事実を集め、同じ基準で判断することです。
質問、評価、記録を一体で設計し、必要に応じて実技試験や状況面接と組み合わせてください。

参考資料

よくある質問

STAR面接とSTAR法は同じですか

STAR法は、状況、課題、行動、結果で経験を整理する方法です。

STAR面接は、その方法を使って候補者の過去行動を深掘りする面接です。候補者の回答方法としてSTAR法が使われる場合もあります。

STAR面接は新卒採用にも使えますか

新卒採用にも使えます。職務経験だけに限定せず、学業、部活動、アルバイト、研究、ボランティアなどから行動を確認します。
経験がない項目は、仮想場面への対応を聞く状況面接で補います。

STAR面接では何問聞けばよいですか

質問数に固定の正解はありません。面接時間と評価項目から決めます。運用開始時は、主要な経験を2〜4件ほど深掘りする設計が考えられます。
質問数を増やすより、一つの経験から本人の行動を確認することを優先してください。

STAR面接用の評価シートは必要ですか

評価の一貫性を保つために必要です。
最低限、評価項目、行動基準、回答記録、評価点、評価根拠、未確認事項を記載します。
質問だけを統一しても、採点基準が違えば評価は揃いません。

サービス資料

面接代行オンラインプラットフォーム 「INTERVIA(インタビア)」

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小林 幸嗣

監修者

小林 幸嗣

株式会社NODIA 代表取締役

新卒で株式会社インテリジェンスに入社。転職サイト「doda」の立ち上げ期に法人営業としてキャリアをスタートし、その後、法人営業に加えてマーケティング・営業企画・商品企画部門のマネージャーを歴任。プロダクト開発組織において100名超の組織マネジメントを担い、「doda Recruiters」や地方創生プロジェクト等の立ち上げを経験。2018年に株式会社コーナーに取締役COOとして参画し、ビジネスサイド全体を管掌。2026年に株式会社NODIAを設立。